君に読む秋物語り

弟へ


こんなに突然に君と別れる日が来るとは、思いもしなかったです。
その夜夕食を共にした愛する君の家族、妻と娘にさえ一言の別れの言葉もなしに去っていくとは。

2月の寒い日に生まれた三つ違いの弟。私には、君が生まれた日の記憶があるのです。
人を諭す。教え導く。そんな意味がある名前だと、君の名前の由来を話す父の顔も覚えているような気がする。
よくしゃべる二人の姉たち。おかげで君は静かな子供になっちゃったね。

満開の桜の下での宴会の写真、ほんのり頬を染めて何か語りかけたそうな口元。
祭壇のその写真は、君の人生のように淡いパステルカラー。笑いかけているようだった。

どんな人生を歩いたかではない。自分の人生をどう生きたか。
君は見事に生き切ったんですね。

君が逝ってしまった今年の秋。故郷の秋は、とても美しかったですよ。
季節は変わらず廻って来て、過ぎていきます。
たくさん泣いたけど、またいつか会えると信じています。
優しい君に、また会いたい。

2008年10月9日(木)日付けが変わったばかりの零時28分。心筋梗塞で逝った弟へ。



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撮影日:2008年11月10日(月)、11日(火)
場所:弘前公園
Canon EOS 20D
EFS17-85/f4-5.6 IS SUM 
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